手が届かなくなった

 

今まで手を伸ばしてして戸棚の中、冷蔵庫の中を、何気なく手を伸ばして物を取っていたのが、手が届かなくなったといわれる80代のAさん。

「ほら、物干し竿見て、あれが届かないのよ。考えられる？冷蔵庫も、引き出し付きの中の食糧は出せないし、入れられないの。クローゼットのハンガーもかけられなくなった。情けない。身長が10㎝も縮んでいるし、考えられる？今ね、姿勢を治せるようにリハビリ受けているの。でも辛いわー。

知人から手伝ってもらえばいいじゃないといわれたけど、そう簡単に手伝ってなんて言えないわよ。今までできたことができなくなるなんて思いもよらない。自宅で暮らしたいけど、無理かもしれない。」といつもの弾丸トークで表情険しくいわれる。

 

 

もう一人同じことを言っている90代の男性Bさん、アパートの2階のベランダで、

「飛び上がって洗濯物をかけているよ。死に物狂いだよ。」

 

＜ケアマネの対策＞

Aさん、クローゼットの中にプラスチックの衣装ケースをいれて、車いすの移動も楽なようにセッティング、

クローゼットのハンガーにかけられないので、ブティックハンガーにかえる。（本人宅に合ったものを活用）

冷蔵庫の引き出しは入れられないので取り除き、棚のみにする。

 

Bさん、ベランダの洗濯干しはやめて、ヘルパーが朝洗濯を干し、夕方取り込みを行うよう計画を立てた。

 

 

Aさん、「まあなんということでしょう！思いつかなかったわー、今までいらいらしてたけど、これでなんとかなりそう、衣装替えはヘルパーさんとやればいいものね。」

 

Bさん、「ヘルパーさんに来てもらって助かったよ。」

 

 

 

ケアプランの転倒防止というけれど、環境整備で具体的にどこまでやれるか、誰が何をするか、

日々知恵と工夫の毎日です。（ケママネIより）